坂上修一の飼育日記(坂風/風坂)

2019年12月に出した同人誌『坂上君の新しい生活』※R-18
のエンディング、あるいは続きのひとつのようなものです。
スンバラリア星人の風間さんに攫われてスンバラリア星に連れて来られて恐らく監禁されている?坂上君の日記をコンビニコピーの折本で日記帳のような形式で作ったものを再録しました。
よろしければ前作の漫画と併せてお楽しみいただければ幸いです。

 

<一日目>
一日目、と書くのもおかしいけどこの星では日をどうやって数えるのかもどうなれば日付が変わるのかも分からない
とりあえず地球にいた頃の感覚で数えて書いていこうと思う。
自分で基準を作らないとどうしようもなかった。
なんとなくカレンダーっぽいなと思うものはあるけれど読めないし

暇だ


<二日目>
風間さんにスンバラリア星について色々聞いてみたけど何を言っているのか全然わからない。
まず一日は24時間じゃないらしい。
明るくなったり暗くなったりはするから太陽は届くところにあるらしい。
いつ寝ていつ起きればいいのかわからない
ずいぶん長い夢だなあと思って寝るけど起きてみたらやっぱりこの白い部屋で悲しくなる。


<三日目>
三日目(仮)だ。
寝たときも起きたときも同じくらい明るかった。
一日たっているのかわからない。
風間さんが来ると日付が変わったのかなと思って判断している。
だからこれから来たら今日は三日目ということにする。
風間さんは学校にいたときと同じ見た目で来る 服はよく変わる。
それで緑色の触手で僕の全身をべとべとにする。目の中まで入ってくる。
でも痛くないのが不思議で  あ、きた


<六日目>
前の日記から三日経っているはず。
あのあと風間さんにずっとからだをいじられてて、失神しても起こされるのを何度も繰り返されてやっと解放されてから今まで寝てた。服も体も髪もきれいになっている。
風間さんに体をいじられるのは気持ちいいけどあそこまでされると気が狂いそうになる。
耳元で僕のことが好きだとか愛してるとかずっと言ってるし、今も言われ続けている感じがして嫌だ。


<七日目>
外に出てみたいと言ったら両足を膝の上からとられてしまった。
びっくりしてぼくは泣いてしまった

風間さんはぼくをみて残念そうな顔だった

  わけわかんないよ
 なんでぼく
         こんな

かえりたい 。


<□%♯♯;**_|\日目>


 帰りたいってどこへだろう。

<●●■■■———*******>>>>>」』
風間さんが落としていったのか置いていったのか分からないけれど汚れた小さなノートが部屋に落ちていたので拾ったら僕の日記だった。書いた覚え はない。書いてない。、 、 書いてない、忘れていただけなんてことはない。だって一日目からずっと書いてあることが似ている。この拾った日記では六日目に足をもがれていた。僕は両足あったんだ。誰だろう、これを書いたのはだれだろう。僕とそっくりな字。風間さんはこれを僕に読ませたかったのだろうか。覚えてない。書いてない。僕はいつここに連れてこられた?いつここに来た?風間さんの部屋■◎◎◎■■風間さんの部屋に何かあった気がする。風間さんの部屋に行こう。ここから出よう。もうどうでもいいこんな記録もいらないどうせまたぼくがかいてぼくがまたかいてぼくがか いまたってなんだまた■■■■また?まなにかおぼえてる?■■?ぼくじゃないいやもういいいこうもういいもういらないまたかくんだぼくがおわりにしようおわりに■■おわりにしよう


メモ

ノートを与えるのは一旦やめてみよう。観察記録としてここに僕の感想を記しておく。
今回は試しに前回の坂上君がこっそり書いていたノートを途中で見せてみた。
しかし両脚を取った時点でかなり混乱していたのであまり意味は無かったかな。
本物の坂上君は両脚を取ったぐらいじゃ全然驚かなかったのに、今回の坂上君もダメだった。
何がいけないんだろうか。実に不思議だ。

今後も研究は続けたいが、上官や周りの奴らが僕を訝し気な目で見てくる。
家族も僕がおかしくなってしまったと思っているらしい。坂上君の素晴らしさをみんな分かってないな。
だからこそ僕が完璧な坂上君を作らなくちゃいけない。そうすればみんな理解してくれるはずさ。
ああ、坂上君。何故君は宇宙空間に身を投げたりしたいんだい。
死ぬのは分かっていたはずだろう。
坂上君。
坂上君。
坂上君。
坂上君に会いたい。